クラウドワークスは、インターネット上で「仕事を頼みたい人」と「働く人」をマッチングするサイトです。
仕事を依頼したい人は、クラウドワークスに仕事を掲載することで「作業を手伝ってくれる人を募集する」ことができます。
仕事の内容や報酬は、自由に設定できます。
- 薬の副作用や病気の治療方法について書くように「資格を持たない一般の人」に依頼する
- 会社に出社させて仕事を行わせる
- 現地で働く従業員や社員の募集をする
- 宿題をやってもらう
クラウドワークスでは、「仕事依頼ガイドライン」というルールがあります。
ガイドラインに違反すると、アカウントが停止されたり報酬を受け取れない可能性もあります。
では、どのような制限があるのかを、わかりやすく解説しますね。
この記事では、クラウドワークスとランサーズの仕事依頼ガイドラインを参考にしています。
(2017年6月29日時点の内容)
目次
依頼・受注してはいけない依頼内容
ここに書いている行為は、クラウドワークスだけでなく、クラウドソーシング業界全体に言えることです。
仮にわからずやってしまうと、犯罪に巻き込まれる(警察沙汰になる?)ケースもあります。
なりすまし行為をさせる
なりすまし行為というのは、見ず知らずの人の個人情報を使うということです。
個人情報に含まれるもの
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- 生年月日 など
例えば、このような依頼には注意しましょう。
- 個人情報を「でっち上げ」て、会員登録や申し込みを指示した依頼。
→仕事を受けた受注者が実在しない人に成りすましてサービスを利用する。 - 依頼者が他人の名前や住所を提供して、サービスの利用などをさせる依頼。
→依頼者が人の名前等を作成し、依頼者に提供するなど。
ランサーズの禁止事項
- TOEICの代理受験の仕事
- 卒業制作(卒論)を代行してください!の仕事
「直接取引」は禁止
直接取引とは、クラウドソーシングなどの提供サイトを中継せずに、依頼者がメールやチャットなどで「直接仕事を依頼し、報酬を支払う」ことを指します。
※仕事の契約後に、連絡を取ることは違反ではありません。
依頼者がクラウドソーシングサイトを飛ばして、直接取引(契約や支払い)を誘導する行為が規約違反です。
理由1:クラウドソーシング会社が成り立たない
クラウドソーシングのような仲介サイトでは、ワーカー(働く人)の報酬から手数料を引いて運営費用に充てています。
そもそも直接取引は、クラウドソーシングサイトが儲からないというよりは、あなた自身の安全面でよくありません。
理由2:働く人の安全対策(夜逃げ対策)
依頼者が報酬を支払わないで、トンズラすることを防止する上でもクラウドソーシングを中継することが重要です。
理由3:「文句を付けて報酬を払わない」も回避できる
もしかすると、あなたがやってしまった些細なミスを理由に、報酬を支払わないかもしれません。
ミスがなくても、後から「依頼内容や納品物を書き換えて」報酬の支払いに応じないという理不尽な行動に出るかもしれません。
第三者が運営する「クラウドソーシング」を通していれば、このような常識ハズレの対応がされにくくなります。
あなた自身が不利にならないために、クラウドソーシングを使うべき
クラウドソーシングの提供会社は、依頼者側からお金を前払いでもらっています。(仮押さえ)
「契約前」に連絡先を記載する(させる)行為
直接取引の前触れ行為として、クラウドソーシングの仕事依頼を依頼数場所に「連絡先を記載した」り、働く人側が応募するときに「連絡先を記載させる」ことも禁止されています。
クラウドワークスの禁止事項
- メールアドレスや住所・電話番号、SkypeIDなど直接の連絡先を記載している投稿。
- 契約前に、メンバー(受注者)にメールアドレスや住所・電話番号、SkypeIDなど直接の連絡先を確認する内容が含まれている投稿。
ランサーズの禁止事項
- 提案時に履歴書を添付してください
- 提案時に、チャットワークIDもしくはskypeIDを記載してください
- 提案時に、氏名住所電話番号を記載してください
- 選定する際に、スカイプ面接を実施します
- 私の連絡先です。山田太郎 080-・・・
- 〇〇株式会社 〇〇部〇〇チーム 山田太郎
そのためには、連絡が必ず受け取れる(毎日確認する)メールアドレスで登録しましょう。
成果報酬など、決められた報酬以外の依頼は禁止
クラウドソーシングでは、報酬の支払いが「固定報酬制」か「時給制」が多いです。
- 「固定報酬」:仕事の納品1件当たり○○円など
- 「時給制」:1時間○○円など
成果報酬とは、ある一定の条件を満たすと報酬を支払うということです。
歩合制に似てます。
例えば、「売り上げ1件」「申し込み1件」が発生して○○円を支払うなどです。
アフィリエイトなどで多く見られる報酬制度です。
成果報酬は(依頼者が判断するため)シビアな部分があり、クラウドソーシングでは依頼できません。
このような書き込みがある仕事は、受けない方がいいでしょう。
契約前に「来社・面談(直接会う)」が必要な依頼
クラウドソーシングは、基本的にWEB上でやり取りする「在宅勤務の仕事」が多いです。
気楽に働きたいという人も多く、面談したり、来社させるという仕事はあまり応募がありません。
また、ガイドライン違反にもなりかねません。
クラウドワークスでは、下記の行為は禁止されています。
- セミナーや仕事説明会、契約前に面接への参加が必要と記載されている投稿。
面談や説明会が必要であれば、チャットワークスやSkypeなどの「インターネット上のツール」で行いましょう。
このような面談であれば、一部了承されています。
勤務地・勤務時間の「制限」も禁止
クラウドワークスでは、勤務地や勤務時間などの指定も禁止しているようです。
※他社クラウドソーシングでは可能なサイトがあります。
- 勤務時間・勤務地を制限する仕事、常駐などの仕事の依頼を禁止しております。
- 「報酬は、月末締め、翌10日払いとなります。」等、独自の支払いサイトの記載がある投稿。
- 「平日の10:00~18:00まで、週3日の勤務です。」等の記載がある投稿。
- 「勤務地は恵比寿の弊社オフィスとなります。」等の記載がある投稿。
本来のクラウドソーシングは、「やり方や時間は自由」がモットー
リアル従業員の募集でなければ、時間指定でもOK(暗黙の了解?)
※常駐に該当するかどうかが法的な解釈が含まれるため、事務局から最終的な判断が難しい場合がございます。
つまり、基本的には時間を指定しても、仕事をする場所や行動を制限しなければ、「常駐とは言えない可能性がある」ということね。
これが常駐の仕事
ランサーズの禁止事項にはこのようなことが書かれています。
- 雇用契約を結ばせてくださいなどの記載
- アルバイト契約などの記載
- 正社員・契約社員で採用すると判断される記載
このような書き込みは、クラウドソーシング全般で禁止されています。
法的な資格が必要な仕事を一般人に依頼
また、有資格者でなければ判断が難しい仕事を、資格を持っていない一般人に依頼することも禁止されています。
たとえば、弁護士、税理士、医師の国家試験を通った人しかできない、知識が必要な文章作成などです。
クラウドワークスの禁止事項
- 法律上、許認可、登録、届出が必要な仕事
- 弁護士、税理士、医師などの資格が必要な仕事を無資格の人に依頼する仕事
- 医療、介護、法律等で、正確な事実かを専門知識で確認する必要がある仕事(監修など)
ランサーズの禁止事項
- 税務申告書類作成の依頼
- 法人登記書類作成や代行の依頼
- 医療行為の依頼
- 病気の対処方法に関する記事作成の仕事で、提案資格に「特定の情報を調べ、それをまとめ記事などにできる方」と記載されている
- 薬の効用に関するコンテンツ制作だが、提案資格に薬剤師指定と記載なく、監修者に薬剤師がついていることも明示していない仕事
こういった有資格者に依頼する仕事は、1件数万円します。
一般の知識がない人に安く書かかせようとする依頼者も多いようです。
そういうことね。
医学などの高度な知識・判断が必要なものは、あなたの個人ブログやサイトで書かないことも大切です。
もしかすると、「医薬品医療機器等法(旧薬事法)違反」に引っかかって捕まるかもしれません。
※『医薬品医療機器等法』とは、以前からの「薬事法」にプラスして医療機器に関する広告規制を強めた法律です。略して「薬機法」ともいう。
著作権・肖像権等の侵害
ランサーズの禁止事項
- 第三者の記事などをコピーして制作するように指示している依頼
- 第三者の記事の一部を書き換えてオリジナルに見せた記事を制作するように指示している依頼
- 第三者の記事を引用する記事制作依頼にも関わらず、適切な引用表現(※)を遵守するように指示をしていない依頼
- 第三者のソースコードをコピーして制作するように指示している依頼
- 第三者の翻訳内容をコピーして制作するように指示している依頼
どうしても画像を入れたいなら、無料や有料のフォトストック(写真のダウンロードができるサイト)を使いましょう。
私がメインで使っているのは123RFという有料のフォトストックです。
他社(外部)サービスの規約違反
クラウドワークスのガイドラインには、禁止する行為としてこのような例が書かれているわよ。
クラウドワークスで禁止されている仕事
- オークションサイトなどの電子商取引サービスに、代理出品を依頼する内容の投稿。
- 外部サービスの利用規約等に違反する可能性がある内容の投稿。
- Facebookページのいいねを促す投稿。
- Twitterのフォローを依頼する投稿。
- Gmailアカウントの作成を依頼する投稿。
- はてなブックマーク登録を依頼する投稿。
- YouTubeの再生を指示する投稿。
- メルカリに関する仕事投稿。
- NAVERまとめの作成投稿。
ランサーズで禁止されている内容(外部サービス編)
- Facebookページのいいねしてください
- このページのメルマガに登録してください
- Twitterをフォローしてください
- Gmailアカウント作って売ってください
- はてなブックマーク登録お願いします!
- LINEスタンプの代理購入&プレゼント
- Google検索で、「〇〇」を検索して、クリックしてください
- あるサービスのアカウントを作成してください
優良誤認(いいサービスのように見せる行為)も禁止
優良誤認とは、「いい口コミだけ」を書いたり、実際にはできないことを「できるように書く」ということです。
読んだ人が「他社よりも優れているサービス」として、間違った認識を持たせて利用させる手法です。
このような仕事を依頼したり、受けてもいけません。
ランサーズで禁止されている仕事(ステルスマーケティング)
- レストラン・飲食店等の口コミサイトで5つ星レビューしてください
- スマートフォンのアプリストアで5つ星レビューしてください
- 不動産物件サイトで、この物件に対して良い口コミを書いてください
- ECサイトの某商品口コミ欄で5つ星、良いレビューを書いてください
- ECサイトの某商品口コミ欄で1つ星、良いレビューを書いてください
ですが、クラウドソーシング以外の記事作成サービスでは、口コミを禁止している会社もあります。
※Shinobiライティングでは断られました。(禁止事項に抵触)
広告・宣伝の場として使用しない
また、自社・他社に問わず、商品やサービスを宣伝するために、クラウドソーシングサイトを利用することも禁止されています。
つまり、商品の宣伝をしてはいけないということですね。
じゃあ、口コミの募集とかはいいの?
口コミの募集自体はいいんだけど・・・
いい点(メリット)だけを書かせたり、よく見せるように誘導するように書かせることは禁止されています。
また、商品やサービスの登録を依頼する仕事も禁止されています。
アフィリエイトリンクを記載して、そのリンクから申し込ませるということもやってはいけないということです。
これは、クラウドソーシングの禁止事項というよりも、外部サービスの禁止事項にあたり禁止されています。
A8の禁止事項:『第三者と協力して広告に申し込む』
第三者と協力して成果を目的とした申し込みを行うことや、申込しあうこと。広告経由で入手した商品を転売、配布すること。また、これらが疑われる行為。
リンクシェアの禁止事項
不当な手段を用いて意図的に成果対象の発生数を増加させていると認められる行為を行うこと。
まとめ:その仕事は適法か、しっかりと確認しよう
これらの禁止事項は、個人の依頼主だけでなく、企業アカウントの担当者も知らないことがあります。
また、「どういった行為が法律違反なのか」線引きがうまく分かっていない人が方も多いようです。
以前あった、まとめサイト閉鎖になった大企業も、社内チェックができていないことを理由にしていましたね。
担当者にしっかりとした知識があれば、こういった間違いは防げたような気がします。
だからこそ、仕事を受ける人もガイドラインや規約には目を通しておくべきということです。